CLBと移民向け語学学校(ESL)のお話。

マニトバでは永住権取得後に移民が無料で通える EAL(English as an Additional Language)があります。昔は English as a Second Language で ESL と呼ばれていたものですが(タイトルは分かりやすくするため馴染みのある ESL にしました)、カナダではバイリンガル・トライリンガル・それ以上もザラなので、Second が Additional に置き換えられたみたいです。いわゆる語学学校ですね。International で通うと月に千何百ドルは取られるフルタイムのコースもすべて無料という太っ腹さ。他州にも移民が無料で通える語学学校はあるようですが、話を聞くにマニトバはずば抜けて手厚いです。以前はマニトバノミニーに合格すれば無料で通えたのですが、2013年以降 Language Training を含むすべての Immigrant Services の管轄が州から国に移行したため※、 ランディングが完了する(Confirmation of Permanent Residence にボーダーかイミグレでオフィサーにサインして貰う=永住権の取得完了)までは通えなくなってしまいました。

※ ソースを探しましたが、これというものが見つかりませんでした。私がノミニーの合格通知のみで無料 EAL 通い始めたのが 2012/09 からで、友達が 2012/12 に申し込んでギリギリセーフだったと言っていたから、たぶんそのくらいの時期に州からフェデラルに移行したんでしょう。予算が減らされて大変だと関係者が嘆いてました。

# ハーパー政権時の移民向け予算削減についてはこちらの記事が詳しいです。
# Conservatives cut immigrant services to fund own agenda

話を戻しまして、無料 EAL に通うにはまず WELARC でアセスメントを受けて現在の英語レベルを CLB に換算して貰います。CLB スコアは Speaking, Reading, Writing, Listening それぞれ独立して貰えます。マニトバで永住権までたどり着いたあなたならば各項目 CLB 4 は問題なくあるでしょう。CLB 4 はこんなレベル。

Benchmark 4 learners can:
introduce two people to each other use past tense with common verbs read a simple story of 2-3 paragraphs use a bilingual dictionary spell and punctuate whole sentences with few errors
Winnipeg English Language Assessment and Referral Centre | Canadian Language Benchmarks

CLB とは Canadian Language Benchmarks の略。このシステムがちょっとややこしいんですよ。すでに EAL に通ってる友達でも正確に把握している人が少ないので説明します。

# CLB の歴史みたいなのを読みたい奇特な人は下記へどうぞ。
# Canadian Language Benchmarks – language-benchmarks.pdf

CLB 1 – CLB 12 まであるんですが、EAL では 8 を超えるともう卒業です。通えるコースがありません。しかし、8 になったらネイティブ並みかってそんなわけはないです。私も 8 取って卒業しましたが吃驚するくらいまだ全然全体的にダメです。ウケます。どうでもいいですね。さて、数字がついてるってことは一つずつ上がって行くんでしょって思いますよね? それが下記のような上がり方をするのでややこしい。

CLB 1B → CLB 1D → CLB 1C → CLB 2B → CLB 2D → CLB 2C → CLB 3B → CLB 3D → CLB 3C → CLB 4B → CLB 4D → CLB 4C → CLB 5B → CLB 5D → CLB 5C → 以下略

数字の後ろについてる B, D, C というのはそれぞれ以下の略です。

B = Beginning 始まったとこ
D = Developing 発展中
C = Completing 終わりかけている

州が管轄していた頃(2013年以前)は、CLB 5B, 5D, 5C どの段階であろうと Certificate には CLB 5 と記載されていたのですが、フェデラル管轄になってからは CLB 5B, 5D, 5C いずれも Certificate には CLB 4 と記載されることになりました。どういうことかと言うと、以前までは今まさに CLB 5 レベルの勉強をしている人が CLB 5 であるという解釈でしたが、フェデラルの決めた新しいルールでは 今 CLB 5 の勉強をしているということは、完了しているのは CLB 4 までであるという解釈に変更されたのです。ね、ややこしいでしょう? 見かけ上の数字が変わっただけで、別に昔のルールで取ったスコアがひとつレベル落とされて扱われるわけではありません。馬齢の数え方が変わったのと似たようなもんです。EAL の中では依然として評価に CLB 数字+ B, D or C が使われてますしね。私が 2012 年に初めて WELARC でテストを受けた時はオール 5 でしたが(WELARC でのスコアには後ろのアルファベットがつかない)、今のルールだとオール 4 だったってことになります。

私が通ったことのある EAL は下記の通りで、上 3 つはパートタイム、RRC はフルタイムです。

他に選べる学校はこちらに一覧があります。チャイルドケア付の EAL もあるみたいですが、周りに利用した人がいないのでどんなシステムなのかは分かりません。フルタイム EAL の中で Manitoba Institute of Trades and Technology(MITT、旧 Winnipeg Technical College)だけは誰からもいい話を聞きません。なんか授業がヌルすぎるんだとか。手っ取り早く CLB のスコアを上げるにはいいけど、ちゃんと勉強したい人は止めといたほうがいいかもしれません。

どこがいいかと聞かれると、Enhanced English Skills for Employment 通称 EESE 以外は、残念なことに先生によるとしか言えません。どこもカリキュラムがほとんど先生任せなので、イマイチな先生は本当にイマイチです。私の場合は課題を出しても添削して返却するのが極端に遅い先生でした。課題を出せども出せども返ってこないから同じ間違いをいつまでも繰り返すんですよ。先に提出したエッセイを元にプレゼンするのに、エッセイ返ってこないから精度上げられないし、授業も行き当たりばったりだし、さすがにこれは酷いんじゃない? と思い始めた頃、友達が「言語パートナー募集の記事出したら大学の先生が応募してきた」って言うじゃん? へえ、なんて名前なのその人って聞いたらおいお前うちの先生じゃねーか!!!!!!1 しかも日本語学ぶ気はなく、一方的に英語教えるだけでいいって既婚者のくせに下心ばりばりじゃねーか!!!!1 そんな暇あったら仕事しろよふざけんな!!!!――さて、どの EAL も最後にアンケートがあります。悪い評価が溜まればダメな先生はちゃんとクビになるらしいので、あまりにもひどい時は後輩のためにもありのーままのー先生をレポートしてあげましょう。無料だしとつい甘めの評価をしてしまいそうになりますが、先生方はボランティアじゃなくてちゃんと税金から給料を貰っていますからね? ちなみに当然のようにコース最終日にも全部の課題は返却されず、残りの課題と修了証はコース修了後 1 ヶ月以上経ってから郵送で届きましたヨ☆

(おかしくなったテンション修正用改行)

EESE はカリキュラムがしっかりしており、講師陣への教育も行き渡っているので上記のようなハズレはほぼないのですが、名前に Employment と入っている通り、アカデミックな英語を学ぶ場ではなく「職業訓練所」的な側面が強いです。カナディアンカルチャーを学んだり、友達を増やすことが目的、または自分のレベルが CLB 5B – 6C の内は勉強になりますが、7B 超えた辺りから純粋に「英語の勉強」が目的なら得るものがなくなってきます。ただ、Writing と Reading は全行程を修了した後に取れる Returning Writing (Reading) がとても良いです。簡単に言うと通いの自主学習で、自分がやりたい課題を先生と一緒に選べて、オープン時間内ならいつ行っても良くて、分からないところは常駐の先生にいつでも質問できて、添削して貰える至れり尽くせりなコース。特に Returning Writing が私のイチオシです。Reading は問題集でも買ってきて一人で答え合わせできるけど、ライティングは添削してくれる人がいないと伸び悩むから。

最後の AEPUCE(Academic English Prog for University and College Entrance)は EAL の最高峰であり、このコースをパスするとマニトバ州内の大学やカレッジの English Language Requirement をもれなく満たせます(マニトバ州以外の大学でも使えるところがあるらしいので、他州の大学へ進学を考えている人もまずは聞いてみてください)。そのため、他の EAL コースと比べたら桁外れに忙しく厳しい(課題もテストも盛り沢山)。追い詰められないと何もやらない怠惰な自分は十分自覚しておりましたゆえ、自らの尻に火をつけるべくこのコースを選びました。間違いなく人生で一番詰め込んで勉強したのがこの時期。おかげさまでライティングはかなり伸びたと思います。CLB 7D (S, R, W, L すべて)以上で申し込めますが、軽い気持ちで入ると死にます。1 クラス定員 20 名 * 2 ですが、最初の 1 週間で何人も脱落しますので、もし定員に達していてもキャンセル待ち登録を。修了証の有効期限はコース修了から 2 年間です。

Upon successful completion of this program, the English language requirement for admission into academic programs at Red River College, the University of Winnipeg, and University of Manitoba will be waived.
出典:Red River College Language – AEPUCE

ウィニペグ大学なら English for Academic Writing がウィニペグ大学専用の AEPUCE みたいなもので、パスするとウィニペグ大学の入学に必要な言語要件を満たせる上、入学後の単位にもなります。恐らく 3 credits 相当でしょうから、入学後の授業料が 300 ドルちょい浮いてお得です。

Red River College で本科生を目指すあなたは、語学学校も RRC にしましょう。日頃の頑張り次第ですが、ターム終了時にスコアが足りなくとも、それがほんの少しであれば将来性を見込んで本プログラムへねじ込んで貰えるかもしれません。

ちなみに一発勝負のテストで言語要件を満たしたいなら CanTEST がお勧め。IELTS や TOEFL なんかと比べると易しいです。ただ CanTEST は、IELTS や TOEFL のように統一テストではないので、スコアは CanTEST を受験した学校でのみ有効です(マニトバ大に入学したいならマニトバ大の CanTEST を受ける)。受験日も後の二つに比べて圧倒的に少ないので、ご利用は計画的に。

Follow me!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする